「泊発電所周辺地域原子力防災計画」修正内容の確認 報告

「泊発電所周辺地域原子力防災計画」修正内容の確認 報告

さる2017年12月10日から、道民視察団の有志が泊原発周辺自治体(役場担当部署課)を訪問し、
平成29年度に改正された泊発電所周辺地域原子力防災計画の変更箇所等の解説に加え、事前に
提出しておいた関連質問の回答をいただきました。現在、報告者はカリフォルニア州に滞在中
のため、年をまたいでしまいましたが、以下に報告します。

  (報告:マシオン恵美香/ベクレルフリー北海道・道民視察団)


泊発電所周辺自治体聞き取り調査のまとめ①
泊発電所周辺地域聞き取り調査のまとめ②
泊発電所周辺地域聞き取り調査のまとめ③
(※写真資料付き報告はベクレルフリー北海道のブログに記載。併せてご参照ください。)

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2017年12月10日 四ヶ町村の聴き取りにさきだち、岩内町議会議員 佐藤英行氏に
「泊発電所原子力事業者防災業務計画の修正」と「泊発電所周辺地域原子力防災計画 計画篇修正」の
変更のポイントを解説していただいた。

・本年度泊原発安全対策に関する当用作業労務者人員がどの地域のどの立場であるか
 昨年度までの例との比較
・来年度安全対策工費見積もりの内訳に関する見通し
平成22年12月末 1-16定期検査+2-15定期検査
 平成26年度、27年度、28年度12月末通常運転時における従業員数よび出身地別内訳
 ・安全対策工事に係る費用の内訳 今後の対策工事に関する情報 
  防潮堤・防波壁の工事に関する北電の説明内容など
 
 通常運転時の従事者の配置数の変化を年度末に集計して比較した場合、資料の表を見比べると、
安全対策工事のため、年々、総計人数が増えているということが判る。
 たとえば、平成21年度は総計1243名のうち地元四ヶ町村での雇用は25名のみ。
 しかし、定期検査になると、工事に携わる人数は2483名と倍ほどになる。
 一方、地元での雇用は771名。平成28年12月末では、通常運転時に1663名のうち、関連会社も含め、
四ヶ町村在住者は572名と記録されている。

 現在、規制庁の審査待ちであるが、地震動や基準津波の高さを検討して対策内容、工事費も変わると思われる。
「安全対策はする」と決まっているが、「見通しが立たない」と自治体関係者も北電側も認めている。
原子力防災避難に際して「介護者を必要とする災害弱者対策」として
福祉施設横から黒松内町に抜ける新道が作られる予定(5~6年先に完成)としている。
▲使用済核燃料が保管されている泊発電所の安全対策は必要としながら、どの程度の措置が翌年に
予定されているかなどは、泊村を含む周辺自治体にも詳しくは知らされていない。
どこにどの程度の措置をするかによって、工費が変わり、防潮壁と防波堤の設計計画も見通しが立たない。
(※このため平成30年度の安全対策費は73.3億円のみが明らかになっているが、そのほかに何も
行われないという意味ではないように受け取れる)

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泊発電所周辺地域聞き取り調査のまとめ②

泊発電所周辺四ヶ町村 原子力防災避難担当部署課への聴き取り調査
泊村役場 :田原 寧(企画振興課長)、藤田秀也(総務部企画振興課 係長)
岩内町役場:青塚信司(総務部財政化 防災後方担当課長)、菊池孝之(防災交通担当 係長)
共和町役場:小石川 訓(企画振興課長)、津田拓人(原子力発電係主事補)
神恵内村役場:稲船義則(総務課長)、長浜伸志(総務課課長補佐)、小田嶋剛史(情報・広報統計係長)

・2017年12月11日
 聴き取り調査の冒頭に、泊村担当から「共有する情報の確認事項」として変更箇所を詳しく解説していた
だいた。修正内容の大半が「北海道地域防災計画(原子力防災計画編)」の改正に伴って、文言の適正化(言葉の
認識を共通にしておく)という理由を説明されたが、果たして、それで良いのかというと、記述されていた内容を削除
することが決して文字通りの「適正化」となってはいない箇所も見受けられる。

あらかじめ泊村役場から四ヶ町村が共有する
「泊発電所周辺地域原子力防災計画」の修正箇所の新旧対照表をご用意いただき、受けた説明のポイント
◆第4節 原子力災害対策を重点的に実施すべき区域の範囲
に記された PAZ:Precautionary Action Zone をこれまで「即時避難区域」としてきたが、
「予防的防護措置を準備する区域」と意訳に変更(北海道の計画変更に伴う修正)
(警戒しなければならない事態が起こった時点で避難者の受け入れを協定している地域への伝達をする。)
◆北海道地域放射線モニタリング対策官→上席放射線防災専門官(※何をする立場なのか判りにくくなった)
◆第三節 避難収容活動体制の整備
1.避難等に関する計画の作成
「安定ヨウ素剤を事前配布されていない者」という文言が削除され、改正後は
「安定ヨウ素剤の服用が不適切な者等のうち」の【等】の中に押し込め統合してしまった。
(※全く別の立場のため、まとめるべきではない)
◆要配慮者に拝する配慮
旧:「要配慮者および一時滞在者」→新:「要配慮者等」
(※住民票の有無によって立場や事情が変わるため、【等】の中に統合するのは適正ではない) 
◆第3非常配備
旧:「避難区域」→新:「防災対策区域から」
◆防災対策の実施
※※変更による赤字箇所多数:P32
 (ウ)防災部長(知事)と共に屋内退避の検討を行う
2※訂正箇所が多く、特に管轄官庁の責任所在、経口安定ヨウ素剤の配布に関連する覚書が連なっているので
注意して読むべき変更箇所。
◆屋内退避
 ※熊本地震の影響を反映させるとし、原子力事故が伴い、自治体は飲料水や重油燃料(発電機器用石油燃料)
の備蓄が三日ほどとしながら、主に屋内退避を提案している。
 助けに来る人の被曝や避難の状況下での覚悟の被曝を強いるのに、政府や自治体の責任を逃れられるよう促す
「自己責任論讃礼」の一方的な「避難行動抑制」で、「より屋内に留まり避難による失命の責任」から逃れる
言い訳となっている。

泊発電所周辺地域聞き取り調査のまとめ③
<詳細な質問>
原発立地周辺自治体として、本年改定された「泊発電所原子力事業者防災業務計画」と
「泊発電所周辺地域原子力防災計画」の内容が、改定前と後でどのように変り、
原発立地周辺自治体として、これに対応すべきとお考えなのかについて、それぞれの自治体ごとに
措置の内容、住民への周知内容等を、ご説明いただいた。

修正内容の中でのポイント
各自治体にはそれぞれ以下のような実問事項にお答えいただきたい旨をお知らせしておいた。
① 計画の変更箇所と理由
②経口安定ヨウ素剤の備蓄量、種別、集会場所の数と位置
どのようなタイミングで配布場所となる集会ポイントで配布されるか。
 ※泊村は全戸事前配布 PAZ内共和町は事前配布しない。
③除雪対策 前回調査後の除雪機器の増減、オペレーターの数と協定内容の確認

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【泊村の回答】田原 寧(企画振興課長)、藤田秀也(総務部企画振興課 係長)

泊村での経口安定ヨウ素剤の備蓄量:1万錠
(通常は大人一人に2錠のため5千人分に相当する人口の三倍程度をめやすに備蓄)
 種別:乳幼児 3歳未満用に ゼリータイプの安定ヨウ素剤を備蓄 
集会場所の数:10ヶ所(バス避難集会場所、学校など)
PAZ外の観光客は自家用車で来ていると想定し、「先にUPZ外に避難していただく」ことが基本的な考え方
除雪事業:協定によりほぼ外注している。
除雪機器の増減:泊村の所持する除雪機器はロータリー1台のみ。
泊村内村道は泊村が行うが、それ以外は原子力安全協定を結んでいる事業者や国、北海道、自衛隊などに依頼する。
泊村として北海道電力に対し、安全対策が現在、何割完了しているのか、防潮堤、防波壁の工事の見通しなど
について、お知らせを受けていない。
放射線防護対策として「陽圧施設」はむつみ荘と役場のみ。
非常用電源(発電機)用の重油、飲料水などの備蓄は3日間程度。

道民視察団からの質問事項 
Q1「協定している小樽建築業組合に所属するオペレーターの数は有事の際、十分なのか? 四ヶ町村、
13ヶ町村と重複して登録していることがあるのではないか? 確認の必要があるのでは?」

【岩内町の回答】青塚信司(総務部財政化 防災後方担当課長)、菊池孝之(防災交通担当 係長)

救護班:84名 ※災害対策基本法により、防災に従事する役場職員の名簿制作は義務付けられている。
岩内町内での災害避難集会場所:18ヶ所 うち4ヶ所は様圧施設
岩内町での経口安定ヨウ素剤の備蓄量:8万3千錠(41500名分) 岩内保健所・役場に備蓄
ゼリータイプの安定ヨウ素剤 乳幼児(16.3㎎)の備蓄:330名分 
              新生児用(32.5㎎)の備蓄:119名分
除雪機器の増減:大型ロータリー1台、ブルドーザー1台を新しくした(足りない分は民間に委託)
岩内町の場合、除雪作業にあたるオペレーターがほかの自治体と重複することはない。
住民への周知:岩内町役場HP,原子力防災のしおり、全町内会代表者会議でお知らせしている
※岩内町担当者として北海道に対し、原子力防災避難訓練の実施日の告知を早くしてもらえるよう要請した。
 本年度は12月15日に北海道のHPで実施日等について公開した。
http://www.pref.hokkaido.lg.jp/sm/gat/bousaikunren3002.htm

【共和町の回答】小石川 訓(企画振興課長)、津田拓人(原子力発電係主事補)

安定ヨウ素剤の配布に従事する担当者は13ヶ町村に48名
PAZ内 2800世帯 6200名
安定ヨウ素剤備蓄場所:共和町役場 
配布場所:役場を含む27ヶ所
経口安定ヨウ素剤の備蓄量:3万7千錠(18500名分) 
ゼリータイプの安定ヨウ素剤 乳幼児(16.3㎎)の備蓄:75名分 
           新生児用(32.5㎎)の備蓄:190名分
陽圧施設:共和町役場・保健福祉センター・みのりの里共和
放射線防護対策施設での石油・水の備蓄は3日間程度 ※飲料水:600ℓ
共和町防災倉庫に緊急用食料3000食 700食分の副食・毛布800枚を備蓄
除雪は主にオペレーターを含め、共和町でほぼ賄っている
除雪機器:ダンプ1台、ロータリー3台、雪上車2台、除雪用トラック1台、ドーザー2台、グレーダー1台を所持
オペレーターは常に2名体制で行い、正職員2名、期間雇用(農家の方が冬季の準職員として登録)

【神恵内村の回答】
稲船義則(総務課長)、長浜伸志(総務課課長補佐)、小田嶋剛史(情報・広報統計係長)

安定ヨウ素剤備蓄場所:神恵内村役場 避難のための集会所:介護福祉施設などなど5ヶ所
村内に登録されており、独立して生活する要配慮者は7名のみ福祉視閲との協定により、避難の際にはお願いする。
平成31年に基準津波に対応する役場庁舎を設置することに決まっている。(場所は確定していない)
村が所持する除雪機器:ダンプ1台、ロータリー1台、民間から借り上げているロータリー1台
       各町内会に:小型ショベル機、バケット、ホイールローダー 4台を設置
除雪機器を動かすための石油備蓄は各町内会に保管。
神恵内ハイツ(要圧放射線防護施設)には98名の利用者が生活している。
避難場所(集会場所)の代替え施設:現在は神恵内中学校だが、新しくなる役場を予定
赤石地区の海抜が低い崖下100メートルの道路沿いに65歳以上の人口の40%が住んでいるという状況。
村民の暮らす地域は、集落の独立化が目立ち、若い世代が高齢化地域の避難を手助けする必要がある。
村として新規に予定している防災対策:柵内地区のヘリポートを整備

以上

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 道民視察団(代表 太田規之) は、2月8日 冬季原子力防災訓練への参加を呼び掛けています。
 すでに数名がお申し出くださっていますが、ルートに分かれて視察を遂行したいため、
 更に、参加協力者を募ります。

        Please put money in here.  
         ゆうちょ銀行  普通預金  口座番号  19270   3146631  
        マシオン恵美香 emika69@yahoo.co.jp

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