『新聞読んで語ろう会』例会の報告

皆さま、『新聞読んで語ろう会』例会活動の報告です。
報告は安井が担当します。

5月16日(水)エルプラザの2階会議コーナーにて、18:30~20:55くらいまでの語り合い、
今回は、4名の参加でした。

持ち込み記事は2件、参加者が少人数で少ない題材という事となり時間を持て余すのかとも思いましたが、結局時間オーバーでの語り合いとなりました。

1. 緊急シンポジウムひらく― セクハラ根絶へ力合わせて 1面
『新日本婦人の会の緊急提言』セクハラのない社会を作るために 2面 (5月17日 新婦人しんぶん エクセルに貼り付けで添付します)

2. アイヌ新法 政府方針 関係者「地域振興」に期待 生活支援見送りに不満も(5月15日北海道新聞)
  関連資料(5月10日 現在のアイヌ政策の進め方についての意見書  アイヌ政策検討市民会議)

1 の題材は、新日本婦人の会が発行する新聞の記事で、発行日の前日に入手したものを先取りさせて頂きました。
セクハラ問題を取り上げたシンポジュウムについてと、緊急提言が出ています。

前回に引き続いての「セクシャルハラスメントは人権問題である」との認識を高めるための提出でしたが、やはり皆さまの語り口に重さがあるようで、なかなか難しい題材であるようです。

それでも、「セクハラの語源に関して」とか、欧米でも最近まであったのではないかと思われる男尊女卑についてや、いま日本における憲法上のどの部分を根拠としてセクハラが問題となるのか、などについて語り合いました。

「セクシャルハラスメント」という言葉は1970年代前期、アメリカで造語として使われたのが始まりのようです。
こうした「言葉を作る背景」は、それまでは「男女間の個人的な人間関係の問題」として、「ハラスメントを、する側に都合の良い個人レベルでの問題に留める」という考え方が一般的だったものを、しっかりと社会問題であると「認識させるための言語」を作るという目的があったようです。

1986年、アメリカ連邦裁で「セクシャルハラスメントは雇用における性差別」と判断したのが、はっきりと社会的問題とした起源のようです。

このアメリカの判決を見た日本の弁護士、角田由紀子氏などが担当し(米国裁の判断は日本でも使えるのではないかと)、1989年提訴した福岡裁判(上司から性的言動による嫌がらせを受けたと女性が訴えた)が、1992年にハラスメントをした上司だけでなく会社側の責任まで認めさせる勝訴判決となり、セクシャルハラスメントが日本でも一気に社会問題化され、それを取り上げた週刊誌が「セクハラ」という造語を使い、流行語大賞にまでなったようです。

この判決を受けて、対外的イメージを優先する大手の企業、金融機関などが、それまでの消極的取り扱いを一変して、積極的に「セクハラ対策」に取り組むようになり、厚労省も企業向け指針として1997年『男女雇用機会均等法の改正』により事業主に配慮義務を課し、2007年には措置義務を課すなどをしています。
また、公務員向けとしては1998年『人事院規則』によって「セクハラ防止対策」を始めています。

しかしながら、麻生財務大臣の言動からは、「セクハラ」を未だ『社会的な人権問題』としてではなく『個人間の問題』レベルに矮小化したいような(前時代的)印象を受けてしまいます。
そして更に先週18日、「セクハラ罪という犯罪はない」と言う麻生氏の発言を追認する形での閣議決定がありました。
閣議決定したという事は、女性大臣2名や公明党の大臣も含め閣僚全員一致の意思決定がなされたという事です。

例えば昨年のダボス会議における『男女平等ランキング』では、その前年からの順位をさらに3つ落とし、144か国中の114位と世界で最低のランクに留まっているのです。
国際社会における日本の立ち位置は極めて恥ずかしい状況にあるという事を、より多くの国民が自覚しなければならないでしょう。

何度も言いますが、自民党の思想そのものに、(どうにもこうにも)このように「人権を軽んじる傾向」が根強いという事があって、それは自民党の憲法草案でもうかがわれるのです。
こういう自民党思想を、本当に支持して行って良いのか?、今後の日本が人権を軽んずる国であって良いのか?について国民全体で議論して行かなければならないと思いました。

2 の道新記事は、菅官房長官が座長を務めるアイヌ政策推進会議が中心となって行っている「アイヌ新法」の中に、地域振興や産業振興を盛り込むという方針が示された事に対する、アイヌの人々の期待と不安懸念などについて述べた記事です。

また、参考資料として一緒に出されたアイヌ政策検討市民会議(ホームページhttps://ainupolicy.jimdo.com/)という市民団体の「現在のアイヌ政策の進め方についての意見書」は、この政府主導のアイヌ政策推進会議とはかなり違う見解を持って意見を述べています。

政府が行おうとしているアイヌ政策は、今回の「アイヌ新法に地域振興や産業振興を盛り込む方針」も含め、決して良い方向ではないだろうという意見が多く出されました。

一方、市民会議の世話人という中に多くの和人がいる事に対して、「これはアイヌ民族自身が団結して闘うべき事なので、そこに和人が入っているその「和人の関わり方」は(偽善とまでは言わないけれど)あまり良い事ではないのではないかと思う」という意見もありました。
和人がかかわる事についての両論が続きました。

アイヌ民族の人々にも(当然ながら)いろいろな考え方、判断の仕方があり、なかなか一枚岩とは言えない状況にある(そういう状況に追い詰められているとも言える)、その現実に対してのイラ立のようなものが、和人だけの私たちの中でこうした事が真面目に考えられた時の語り合いの中でも出てきてしまうようです。

その中で、世界中の先住民族がそれぞれ復興・復権を果たしてきた近年の過程では、どの国でも決して先住民族だけで戦って来れた訳ではなかったのであって、そういう点でアイヌ民族の問題に和人が理解を深めて関わる事も当然必要だろうという意見も出ました。

アイヌ民族にとっては、他の世界中の先住民族と同様に、あるいはもっと深刻で重大な困難を強いられて来たかも知れないという事は否定の出来ない歴史だった(現在進行形でもある)と言えます。

世界では、それぞれに同様に重大な困難を強いたこの歴史を過ちと認めた上で先住民族に対する政策を(法律を作るなどして)大きく転換しようと動き出し実行して来ていますが、日本ではどうでしょうか?

アイヌ新法を、世界基準のレベルに出来るのかどうか?
これは、日本という国のレベルが世界の目にさらされているという事でもあるのです。

「日本も、もう少しはましな国になりましょう」と活動されている人々にも、アイヌ新法などについては「他人事として一歩引くようなスタンス」ではない関心を寄せて頂ければと感じましたが・・・。

次回は、5月30日(水)18:30~約2時間の語り合い。
いつものように、エルプラザの2階会議コーナーで行います。
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