憲法問題連続講座報告

先日、自治労会館で行われた、平和運動フォーラムと戦争をさせない北海道委員会の共催による
第16回憲法問題連続講座について簡単にご報告したく、メールを差し上げました。

この講座は、執筆者の方々による7月の構想・緊急会議から3ヶ月あまりでスピード出版された現代人文社のブックレット『ピンポイントでわかる自衛隊明文改憲の論点』の発刊記念を兼ねたものということで、同ブックレットが受付で特価で販売されていました。
初めに執筆者の中から室蘭工大の清末愛砂さん、弁護士の池田賢太さん、北星学園大の岩本一郎さんのお三方による問題提起があった後、パネルディスカッション、名古屋学院大の飯島滋明氏の閉会の辞で締めくくられました。

以下に、お三方のお話の中から幾つか記憶に残ったことを箇条書きでご報告します。

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清末さんの「9条明文改憲問題」より、
* 「憲法への自衛隊明記」には必要性がなく、むしろ問題を作り出す。

* 憲法の条文には「後方優先原則」がある。末尾に自衛隊明記の条文を付け加えることは、9条の1項2項を死文化させ、平和主義を完全崩壊させる。

* 今憲法に自衛隊を明記するとは、「安保法制下の自衛隊」を明記すること。

* 自衛の名の下の戦争は侵略戦争以上に残酷な兵士を生む。

*アフガンやリビアの例から、北朝鮮側には「アメリカが後ろ盾となる戦争で体制転覆される」というリアルな脅威があり、安保法制がそれに拍車をかけている。

*外交上のカードには切れるカードと切れない(切ってしまっては意味がなくなる)カードがあり、北朝鮮のミサイル実験は切れないカードをただ見せているだけ。実際に攻撃を仕掛ければ国を維持できないのは明白。

*改憲はかえって日本を含む東アジアの平和を脅かす。

* 改憲を目論む側の、「災害救助に励む自衛隊」を強調し感情論に訴える戦略の姑息さ。(自衛隊の主たる任務は国防であり、災害救助は従たる任務。)

*9条だけでは平和主義は達成できず、前文と13条,14条,24条,25条などの非暴力を共通項とする条文、特に個人の尊厳と両性の平等をうたう24条が重要。

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池田さんの「教育の無償化と参院合区解消問題について」より、
*教育の無償化は憲法を改正せずともいつでも可能。

*今ある奨学金を給付型にする、個別の法律を整備する、などの方法で対応できる。

*それをしてこなかった今の政権が「教育の無償化」を楯に狙っている「教育統制」の危険。(経済的徴兵の他、在学時に軍事研究に従事させるなどの、見えにくい形の徴兵も考えられる。)

*1票格差の是正の方法である参院合区の問題も、同様に憲法改正の必要は無く、法律で対応できる。

*憲法とは、私たちがどの様な社会に生きたいのかを示す社会契約。天賦の人権は私たちも、他国の人たちも、これから生まれる人たちも持っている。権力の暴走からそれらを守るためにあるのが憲法。

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岩本さんの「緊急事態条項・<知る権利>の問題」より
* 「国の緊急事態」の典型は戦争であり、緊急事態条項は戦争のための条文

* 立憲主義と緊急事態条項は水と油
(国家権力が国家の存続のため、憲法下の秩序である人権の保障と権力の分立を一時停止。)

* 明治憲法下の緊急事態条項も濫用された。

* 日本国憲法は、戦前の反省を踏まえ、非常事態にも国会中心に法律で対処する。(衆院解散時の緊急事態には、「参議院の緊急集会」で対応)

* 衆議院の任期延長のための緊急事態条項も危険。(第一次大戦時に濫用され、翼賛選挙に繋がった。参院の緊急集会で対応するのが筋。)

* 日本国憲法には、13条の幸福追求権という、「<新しい人権>を生み出す仕組み」がある。また、<知る権利>は既に、表現の自由を保障する21条から導かれている。

*知る権利の憲法への明記は、不要でありかえって弊害を引き起こす。(公平原則をうたう放送法を楯にした政権の放送局への介入と同様の圧力が、新聞社や出版社にも及ぶ危険。)

*国民の知る権利を守るなら、政府の隠蔽体質を改め、公文書管理体制の見直しと情報公開制度の拡充を行うべき。

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