戦争と町内会

札幌市が町内会に関する条例の制定に動き出したことを5月28日の北海道新聞が伝えています。
私はこのことに大きな危惧を感じています。
それは、戦前の町内会組織が、戦争遂行の基盤となったためです。

札幌市では、全国に先駆けて1940年に「市民自治の振興と、国策の浸透及び協力」の必要から市民の末端組織として町内会(公区)を組織しました。
町内会(公区)は、月に一回全員が集まる常会が開催され、10軒程度を単位として班(隣組)が設置されました。
この隣組制度が、戦争遂行を支える住民動員の機関になりました。
それでGHQは町内会(公区)の解散を命じました。この状況について、『札幌市史』に記載がありますので添付します。
また『新札幌市史』(第5巻通史5の上下)にも記載があります。

ここで教訓的なことは、市民が全員定期的に集まり、意見を述べ、皆で決めたことはみんなで実行するこの町内会(公区)組織が、決して民主主義的な役割を果たしたのではなかったことです。

解散された町内会(公区)はその後復活し、1965年ごろには戦前の数同じぐらいの341になっています。
そして、1970年に入り札幌市役所が結成の後押しをして、その数1287を数えることになります。現在は2,200あるそうです。

町内会活動を行政の末端組織とするか、住民自治の機関とするかおおきな分かれ道にあるように思われます。
少なくとも札幌市条例の制定にあたっては、その関係者に町内会が戦争で果たした役割についての反省は見当たらない。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・
札幌市、町内会加入促進へ条例 道内初の制定目指す 見守りや除雪の担い手期待
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/193612
北海道新聞 05/28 05:00

 札幌市は本年度、住民の町内会加入率向上を狙い、「町内会加入促進条例」(仮称)を設ける方針を固めた。行政だけではできない独居高齢者の見守りや生活道路の除排雪などを担う町内会を、人口減少時代に重要な力となる自治組織と位置付け、民間業者への協力も求める。市や道などによると、こうした条例は道内で初めて。

 市は29日の市議会委員会で素案を示し、年度内の議会で提案、成立を目指す。

 現在約2200ある市内の町内会・自治会の加入率は1978年の約93%をピークに低下し、今年1月時点で約71%と過去最低を更新。高齢化による役員のなり手不足、活動の縮小も深刻だ。

 素案では、町内会についてごみステーション管理や防犯活動だけでなく、災害時は安否確認や避難誘導なども担う重要な地域コミュニティーとして位置付けを明記する。

 加入促進に向け、町内会は「多世代が参加しやすい環境づくりや運営の透明性向上」、市は「財政面を含む支援や広報」に取り組むことなど、役割を明文化する。住宅の建築販売や賃貸管理を行う事業者については「入居者への加入呼びかけや設立に関する情報提供を行う」と盛り込む。 

・・・・・・・・・・・・・・・・・
小林 久公
061-2273 札幌市南区豊滝2丁目9-6
FAX 011-596-5848
携帯電話 090-2070-4423
Email: q-ko@sea.plala.or.jp

SNSをご利用の方は情報をシェアしてください。

Shortcodes Ultimate

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です