TTPの学習会報告 市民の風・北海道(TTP検討チーム)

10/29(土)、3回目の学習会「TPPで医療はどうなる?!」が開かれました。
東区役所という地理的なハンディがありながらも、当日は予備イスが必要な25名の参加をいただきました。

講師は勤医協中央病院医師であり医療九条の会・北海道の佐々木豊先生。
主に以下の5点についてお話いただきました。

~TPPと医薬品の問題~
TPP協定の「知的財産権」の分野で「特許期間の延長」「新薬データ保護期間」についての記述があり、ジェネリック医薬品が作りにくくなる。
また新薬を保険に適用させる手続きにおいて、製薬会社が不服を申し立てることができるようになっていることから医薬品が値上げされることは明らか。

~混合診療について~
今、日本では例外的に保険外診療を含む「混合診療」が認められているが、過去、アメリカ通商代表部が出してきた「外国貿易障壁報告書」などで混合診療の解禁が求められているため、TPPが発効されれば、混合診療は拡大すると予想される。
そうなると高額な先進医療、新薬を選べるのは富裕層のみとなる。
また、民間の医療保険に入らなければ医療費は払えなくなる。

~病院の株式会社化について~
日本では医療法により営利目的の病院経営はできないことになっている。
しかし混合診療と同じようにアメリカからの「外国貿易障壁報告書」などで株式会社による病院経営を要求されているため、TPP発行後は将来的に営利産業の参入が進む可能性がある。

~ISDS訴訟の現実について~
TPPにはISDS条項という、企業が仲裁裁判所に訴えを起こすことができる仕組みがある。
しかしこのISDS仲裁裁判所の仲裁員15人中14人が欧米人で、NAFTAの例を見る限り公平な裁定はされていない。

~TPPと国民皆保険制度について~
今の日本の皆保険制度にも「果たして[皆]保険か?3割負担は適正か?」という問題はある。
それでもWHOでの評価は高い。
TPP付属書において日米両政府は将来の保険制度を含むあらゆる事項について協議する用意があることを確認している。
国民皆保険制度は国内の医療政策改悪と相まって形骸化するおそれがある。

補足:世界の製薬企業について
世界の上位7社のうち4社は米国企業。
アメリカから日本への輸出額をみると
1.医薬品・医療機器:8,325億円
2.穀物:5,083億円
3.航空機:4,913億円
医療は日本への重要な輸出産業

『結論』
TPPには人類の社会連帯という発想が一切ありません。
ひと握りのグローバル企業の利益のためです。
TPPに加盟することは国民が「いつでもどこでも安心して医療を受けることができる」権利を奪うこと、と結ばれました。

TPP学習会では講師の佐々木豊先生のお話のあと、札幌在住の米国人美術史家の Bruce Darling さんに日米の医療比較についてお話して頂きました。

まず、米国の医療費の高さについて。
アメリカは州により医療費の決め方が様々なので、「アメリカではこうだ」と一概に言いきれないがという前提で、去年、Bruceさんが米国で手術を受けた場合、入院ベッド代だけで1泊1,000ドルだったとのこと。
退院時に清算はなく、いくらかかったのか誰に訊いてもわからなかった。
その後に7ケ所からバラバラに請求書がきて、最後の請求書が届いたのはなんと8ヶ月後。
それで判ったことは、検査や手術や麻酔に携わった技師や医者は病院所属のスタッフではなく、病院の外の別々の組織に属していたということ。
医療技術は日米どちらも素晴らしいが、ケアの面で日本の方がスタッフ間の連携がとれているように感じたのはそのせいだったのでは。

また、米国で病院に行って最初に聞かれる質問が「どこが悪いか?」ではなく「何の保険に入っているか?」ということも珍しくない。

日本の医療は健康を守るためのシステムになっているのでコストを抑えようとするけれど、アメリカの医療は利益を上げるためのシステムになっているので、コストを抑えることがない。

『日本の医療は日本の宝』です。

学習の理解を深める貴重なお話でした。

(文責:一ノ宮麗子)
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